韓国には昔から三伏の暑さといって真夏の一番暑い3日を初伏、中伏、末伏と呼び、暑さを乗り切るために精の付く食べ物を食べる風習があります。 若鶏に高麗人参、ニンニク、ナツメ、栗、もち米、松の実などを入れて、長時間じっくり煮込んで食べる参鶏湯は暑さが猛威を振るう真夏に疲れた人々が好んで食べる韓国の伝統料理の一つです。 夏場の急激な気温上昇による汗の排出により体内の水分や無機質などを失いやすいですが、タンパク質の豊富な鶏肉や各種栄養が豊富な食材で免疫力を高め、気力回復に役立ちます。 また、参鶏湯の主材料の持つ温かい性質が夏の冷たい食べ物で疲れた胃腸を癒し、保護する効能もあります。
スジェビ(すいとん)は、煮干しや肉など各種食材で出汁をとって煮込んだスープに、柔らかく練った小麦粉を手で薄くちぎって煮込む、韓国を代表する庶民料理です。 韓国伝統飲食研究所によると、"スジェビ"という名前は、手で折りたたんで作るという意味で"スジョビ"と呼ばれていたものが、"スジェビ"と呼ばれるようになったといいます。 昔、小麦粉が貴重だった頃、スジェビは宴会の時に食べる特別な料理でしたが、1950年代の朝鮮戦争以降、海外から小麦粉が救援物資として流入し、米より安くなった小麦粉は瞬く間に庶民の主食になり、最近はピンデトックとともに雨の日に好んで食べる食べ料理になりました。
うるち米と雑穀(粟、豆、モロコシ)、銀杏、人参などを入れて炊いたご飯と、近隣地域の新鮮な野菜と約20種類のナムルと一緒にいただく大田の石焼きご飯は、約20年前から昔ながらの釜炊きご飯の味を越える美味しさで名声を博し、他の地域の石焼きご飯と差別化される大田の料理として定着した。
錦江のコウライケツギョは朝鮮時代に王様に献上された大田の特産物として有名で、錦江中流の新灘津地域は古くから川魚料理が発達してきた。1981年大清ダム完成後、周辺に川魚メウンタン料理店が立ち並ぶようになったが、その味は高い評価を受けている。錦江沿いで水揚げされた川魚に色々な食材で味付けし、20分ほど煮込んだメウンタンはあっさりした味わいが絶品。
大田は昔からカルグクスが有名で、ピリ辛のスープが有名なメウンカルグクス、地味で淡白な味のソンカルグクス、スープの味が濃く淡白なアサリカルグクス、地場カルグクス、海鮮カルグクスなど濃いスープとコシのある麺を味わえる。
約40年前から大田駅周辺でソルロンタンを専門に提供してきた某飲食店が名声を博し、大田市民になじみ深い料理として定着した。お肉を長時間煮込んだスープが味わい深く、よく熟したカクテキとキムチといただくその味は絶品。
スッコル冷麺は平壌(ピョンヤン)冷麺の味そのまま4代にわたって約50年間冷麺を作ってきた。胃に負担を与えない麺(そば90%、小麦粉 10%)とスープ(鶏スープ30%、トンチミ(大根の水キムチ)スープ 70%)が他の地方の冷麺と差別化されている。
1980年初めから農家が生計を得るための副業として生まれた九卽ムク(ムクはそば、どんぐり、緑豆などの粉を沈殿させて固めたもの)横丁が、大田オリジナルのグルメとして定着した。千切りにしたムクに、煮干しと昆布で作ったスープを入れ、千切りにしたキムチと海苔を入れていただく。
大田の豆腐トゥルチギは柔らかい豆腐を四角く切って唐辛子粉、ニンニク、醤油、ごま油などを辛味タレで味付けし、豆腐特有の味と香りを生かして炒めてくるもので、一度味わうと常連になってまた訪れる料理である。